病気やけがをすると、体だけでなくお金の心配も出てきます。病院に行くと治療費が必要になり、入院することになればさらに大きな費用がかかります。また、長い間仕事を休まなければならない場合、収入がへってしまうこともあります。そんなときに困らないために、病気になる前にしっかりと準備しておきます。
病気になったときにどんなお金がかかるのか、どのように準備すればよいのかを、わかりやすく説明します。
病気になるとどんなお金がかかる?
病院に行くと、さまざまなお金がかかります。診察代や薬代だけでなく、検査費用や治療費も必要です。病気によっては長いあいだ治療を受けなければならず、しはらいの負担が大きくなることもあります。
入院すると、さらに多くのお金がかかります。病室の使用料や食事代、手術費用などが必要になり、病気の内容によっては何十万円という費用がかかることもあります。とくに個室に入る場合や、特別な治療を受ける場合には、さらにしはらいが大きくなります。
病気やけがのせいで仕事を長い間休むことになった場合、収入がへることも大きな問題になります。給料がなくなると、生活費のしはらいができなくなるため、あらかじめ準備をしておくことが大切です。
医療保険とは?
病気やけがにそなえて、医療保険に入る人が多くいます。医療保険とは、病気やけがをしたときにお金をもらえるしくみのことです。ふだんからお金をはらっておくことで、入院や手術を受けたときに保険金をもらえます。
日本では、すべての人が「けんこうほけん」に入っています。けんこうほけんに入っていれば、病院でのしはらいは3わりで済みます。のこりの7わりは国が負担してくれるので、大きな病気になってもすべての費用を自分でしはらう必要はありません。しかし、それでも大きな手術や長期の入院が必要になった場合には、かなりの費用がかかります。
そのため、けんこうほけんだけでは不安という人は、民間の医療保険に入ることがあります。医療保険に入ると、入院や手術をしたときに、決められた金額をもらうことができます。
医療保険にはどんな種類がある?
医療保険には、いくつかの種類があります。入院をしたときにお金をもらえるものや、手術を受けたときにまとまったお金がもらえるものがあります。なかには、がんや心ぞうの病気など、特定の病気になったときにお金をもらえるものもあります。
どの医療保険に入るかを決めるときは、自分の健康状態や生活スタイルを考えることが大切です。入院のときにどれくらいの金額が必要なのか、どのくらいの期間入院する可能性があるのかを考えて、適した保険をえらぶようにしましょう。
病気にそなえて貯金もしておこう
医療保険に入っていても、すぐにお金を受け取れるわけではありません。保険金がもらえるまでに時間がかかることもあるため、手元にすぐ使えるお金を準備しておくことも大切です。
急に病気になったときのために、生活費の3か月分くらいの貯金をしておくと安心です。病院でのしはらいや、仕事を休んで収入がなくなったときに備えるためです。ふだんの生活費を計算し、それをもとに必要な貯金額を決めておきましょう。
病気になったときに使えるお金のしくみ
日本には、病気やけがをしたときにお金の負担をへらすための制度があります。そのひとつが「高額療養費制度」です。この制度を使うと、病院でしはらう金額が一定の上限をこえたときに、そのぶんのお金がもどってきます。たとえば、手術で高額な治療費がかかったとしても、申請をすればその一部をへらすことができます。
また、「傷病手当金」という制度もあります。これは、病気やけがのために仕事を休まなければならなくなったとき、給料のかわりに一定のお金をもらうことができるしくみです。長いあいだ仕事ができない場合でも、生活費をすべて自分で用意しなくてもすむようになっています。
病気にそなえるために今からできること
病気になってからお金のことを考えるのではなく、元気なうちからそなえておくことが大切です。まず、生活費の3か月分を目標に貯金をしておきましょう。病気のときにすぐに使えるお金があると、安心して治療を受けることができます。
次に、自分に合った医療保険をえらびましょう。入院したときにお金がもらえるものや、特定の病気にそなえたものなど、いろいろな保険があります。どの保険が必要かをよく考えて選びましょう。
また、病気になったときに使える制度について知っておくことも大切です。高額療養費制度や傷病手当金を使うことで、病気になったときの負担をへらすことができます。あらかじめ制度の内容を知っておけば、もしものときにすぐに申しこむことができます。
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高額療養費は、入っている健康保険協会に問い合わせをしましょう!例:協会けんぽや各地方自治体など。
まとめ
- 病院でかかるお金・入院のお金・仕事を休んだときのお金 が必要
- 日本の けんこうほけん に入っていれば、病院でのしはらいは3わりですむ
- 大きな病気にそなえるために、入院や手術のときにもらえる医療保険に入る。
- 保険だけでなく、すぐに使える貯金も大事
- 高額療養費制度・傷病手当金 など、病気のときに助けてくれるしくみがある