お金をふやす方法はいろいろありますが、その中でも強い力を持つものがあります。「複利(ふくり)」です。これは、お金をながくためることでどんどん大きくなるしくみです。かんたんに言うと「お金が自分でお金を生み出す」ことです。
今回は、複利とは何か、どうすればうまく使えるのかをやさしく説明します。
複利とは?
お金をためるとき「利子(りし)」がつくことがあります。
たとえば、銀行にお金をあずけると、すこしずつふえていきますね。この「ふえたお金」にもさらに利子がつくのが複利です。
たとえば、100万円を年3%の利子がつく銀行にあずけると、1年後には103万円になります。でも、複利の場合は、この103万円にも利子がつくので、次の年は106万円ちょっとになります。このように、毎年「元のお金+ふえたお金」にも利子がつくため、長くあずけるほどどんどんふえていきます。
複利のすごさを知ろう
もし、毎年3%の利子がつく銀行に、10年間お金をあずけたらどうなるでしょうか? 100万円をそのまま10年間おいておくと、ふつうの計算では103万円×10年で130万円になりそうですが、複利なら約134万円になります。時間が長くなるほど、ふえるスピードがどんどん大きくなります。
長く20年、30年とあずけておくと、最初にいれたお金の何倍にもなります。これが「お金が自分でお金を生み出すしくみ」です。投資の世界では「お金の雪だるま」とも言われます。最初は小さくても、転がしていくうちにどんどん大きくなります
単利(たんり)とのちがい
複利とよくくらべられるのが「単利(たんり)」です。単利は「元のお金だけ」に利子がつくしくみです。たとえば、100万円を単利3%で10年あずけると、毎年3万円の利子がついて、10年後には130万円です。
しかし、複利の場合は「元のお金+ふえたお金」にも利子がつくため、10年後には約134万円になり、単利よりもお金が大きくなります。20年後にはもっと大きなちがいが出ます。長くお金をためるなら、単利よりも複利の方がお得です。
複利を活かす方法
複利の力を活かすには、いくつかのポイントがあります。
まず「できるだけ早くはじめる」です。お金がふえるスピードは時間とともに大きくなるので、若いうちからはじめるとより効果が出ます。
たとえば、20歳ではじめた人と40歳ではじめた人では、同じ金額をためてもふえるお金に大きなちがいが出ます。
次に「できるだけ長く続ける」ことです。1年や2年ではあまり大きなちがいは出ませんが、10年、20年と続けると、おどろくほどお金が増えます。「じっくり育てる」ことが大切です。
そして「なるべく高い利子をえらぶ」こともポイントです。年1%の利子と、年5%の利子では、長い目で見たときのふえ方が大きくちがいます。高い利子でふやせるしくみをえらびましょう。
複利を使うときの注意点
複利はとても強い力を持っていますが、注意することもあります。たとえば、銀行の普通(ふつう)預金ではほとんど利子がつきません。最近は年0.001%くらいしかないことも多いです。これでは、複利の力を活かすことができません。もう少し高い利子がつくしくみを選ぶことが大事です。
また、投資の中にはリスク(危険)もあります。複利を活かした投資の中には、お金がふえることもありますが、逆にへってしまうこともあります。しっかりしくみを学び、あんぜんな方法を選ぶようにしましょう。
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まとめ
- 複利とは「ふえたお金にも利子がつくしくみ」
- 長く続けるとお金がどんどん大きくなる
- 単利よりも複利の方が多くお金がふえる
- できるだけ早くはじめ、長く続けることが大切
- なるべく高い利子を選ぶと、よりお得
- 普通の銀行預金ではほとんどふえないので注意
- 投資にはリスクがあるので、しっかり学ぶことが大切