働いている人は、毎月の給料からいろいろなものが引かれています。その中に「社会保険(しゃかいほけん)」があります。でも「社会保険ってなに?」「なぜ引かれるの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
社会保険は、病気やけが、老後の生活などを支えるための仕組みです。毎月少しずつお金を出し合うことで、困ったときに助けてもらえる仕組みです。この記事では、社会保険について、分かりやすく説明します。
社会保険とは?
社会保険とは、働く人が安心して生活できるように、国が作った仕組みです。病気になったとき、年をとって仕事をやめたとき、事故にあったときなど、生活に困ることがあったときに助けてもらえます。
社会保険には、いくつかの種類があります。それぞれの保険には、違った役割があります。
社会保険の種類
健康保険(けんこうほけん)
病気やけがをしたときに、病院での治療にかかるお金を少なくするための保険です。日本では、ほとんどの人が健康保険に入っています。健康保険に入っていると、病院で支払うお金が少なくなります。ふつう、病院でかかるお金の一部(たとえば3割)だけ払えばよく、のこりは保険が負担してくれます。
また、入院したときや、長いあいだ仕事を休まなければならないときに、お金をもらえる仕組みもあります。
厚生年金(こうせいねんきん)
年をとって仕事をやめたあと、生活するためにお金をもらえる保険です。若いうちから毎月お金を払っておくことで、年をとったときに「年金(ねんきん)」というお金をもらうことができます。年をとると、仕事ができなくなることもあるので、年金はとても大事です。
また、もし事故や病気で仕事ができなくなったときにも、年金をもらえる仕組みがあります。
雇用保険(こようほけん)
会社で働いている人が、仕事をやめたときに、お金をもらうことができる保険です。仕事をやめると、次の仕事が見つかるまでお金がなくなってしまうことがあります。そんなとき、雇用保険に入っていれば、「失業手当(しつぎょうてあて)」というお金をもらうことができます。
また、子どもが生まれたときや、病気で仕事を休まなければならないときに、お金をもらえることもあります。
労災保険(ろうさいほけん)
仕事中や、仕事が原因で病気になったときに、治療のお金を助けてもらえる保険です。仕事中にけがをしたとき、ふつうなら自分で病院のお金を払わなければいけません。でも、労災保険に入っていれば、治療にかかるお金をすべて負担してもらうことができます。
また、仕事が原因で働けなくなったときや、事故で命を落としたときに、お金をもらえる仕組みもあります。
なぜ給料から引かれるの?
社会保険は、働く人がみんなでお金を出し合って、困ったときに助け合う仕組みです。そのため、毎月の給料から少しずつ引かれているのです。
また、会社で働いている人は、会社も半分の金額を払っています。つまり、会社が働く人を守るために、お金を負担しているのです。
社会保険に入ると、どんなメリットがある?
社会保険に入っていると、もしものときに助けてもらうことができます。たとえば、病気になったとき、ふつうなら病院代がとても高くなってしまいます。でも、健康保険に入っていれば、支払うお金が少なくなります。
また、仕事をやめたときも、雇用保険のおかげで、次の仕事が見つかるまでお金をもらうことができます。年をとったときも、年金をもらえるので、安心してくらすことができます。
社会保険に入らないとどうなる?
会社で働いている人は、ふつう社会保険に入ることになっています。でも、自分で仕事をしている人(フリーランスや自営業の人)は、別の方法で保険に入らなければなりません。
もし、社会保険に入らなかったら、病気になったときの病院代をすべて自分で払わなければならなくなります。また、年をとったときに年金をもらうこともできません。仕事をやめたときにも、お金をもらえないので、困ることになります。
社会保険をうまく活用するコツ
社会保険は、うまく活用することで、安心して生活できます。まず、自分がどんな保険に入っているのかを知ることが大切です。会社の人事(じんじ)や総務(そうむ)に聞けば、自分がどんな社会保険に入っているのか教えてもらえます。
また、病気やけがをしたとき、仕事をやめたときなど、「お金をもらえるのか分からない」と思ったら、すぐに調べることが大事です。知らずに損をしないように、必要なときは役所や会社に相談しましょう。
まとめ
- 社会保険 は、病気やけが、老後の生活を支えるためのしくみ
- 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険 などがある
- 給料から毎月引かれるが、会社も半分負担してくれる
- 病気や仕事をやめたときなど、困ったときに助けてもらえる
- 保険のしくみを知っておくと、安心して生活できる